マンションを売るときの査定価格は、不動産会社が「なんとなく」決めているわけではありません。多くの場合、近くの似たマンションが実際にいくらで売れたかを比べて価格を出す「取引事例比較法」が使われます。この方法で求めた価格を「比準価格」といいます。
この記事では、比準価格の考え方と評価のポイント、査定を受ける前に知っておきたいことを解説します。

不動産の価格を求める3つの方法
| 方法 | 考え方 | 主に使われる物件 |
|---|---|---|
| 取引事例比較法(比準価格) | 似た物件の成約価格と比べて求める | マンション、土地、住宅地の戸建て |
| 原価法(積算価格) | 建て直すといくらかかるかから、古くなった分を差し引いて求める | 戸建ての建物部分 |
| 収益還元法(収益価格) | 貸したときに得られる家賃収入から求める | 投資用物件 |
マンションは同じ建物や近所に似た物件が多く、取引事例が集めやすいため、取引事例比較法がもっとも使われます。
比準価格の求め方
- 取引事例を集める:同じマンションや近くの似たマンションで、最近成約した事例を集めます。
- 事情を補正する:急いで売った、親族間で売ったなど、特殊な事情がある事例は補正するか除外します。
- 時点を修正する:成約した時期から今までの相場の動きを反映します。
- 個別の条件を比べる:階数・向き・広さ・間取り・眺望・室内の状態などの違いを点数化して比べます。
- 価格を求める:事例の㎡単価に、比べた結果を掛けて、自分のマンションの価格を出します。
簡単な計算イメージ
同じマンションの同じような部屋が、㎡単価60万円で成約していたとします。自分の部屋はより上の階で眺望が良く(+5%)、室内はやや傷みがある(-3%)とすると、
60万円×1.05×0.97≒61.1万円/㎡ → 70㎡なら約4,277万円
実際にはもっと多くの項目で比べますが、考え方はこのとおりです。
マンションの評価で差がつくポイント

- 立地:駅からの距離、周辺の利便性。価格への影響がもっとも大きい要素です。
- 階数・向き・眺望:一般に上の階、南向き、角部屋ほど高く評価されます。
- 築年数:築年数とともに価格は下がりますが、1981年6月以降の新耐震基準かどうかも重視されます。
- 管理状態:共用部分の清掃、修繕積立金の残高、長期修繕計画の有無。「マンションは管理を買え」といわれるほど重要です。
- 室内の状態:リフォームの有無、設備の新しさ、水回りの傷み。
査定を受ける前に知っておきたいこと
どの事例と比べたかを確認する
比準価格は、選んだ事例によって大きく変わります。査定書に載っている取引事例が、自分の部屋と条件が近いか確認しましょう。査定額の見極め方は不動産査定額が妥当か見極める方法で解説しています。
自分でも成約事例を調べられる
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や「レインズ・マーケット・インフォメーション」で、同じマンションや近くのマンションの成約価格を調べられます。ポータルサイトの売り出し価格は成約価格より高いことが多いので、成約価格で比べるのがポイントです。
管理の書類をそろえておく
管理規約、長期修繕計画、修繕積立金の状況がわかる資料があると、管理の良さを評価に反映してもらいやすくなります。
まとめ
- マンションの査定は、似た物件の成約価格と比べる「取引事例比較法(比準価格)」が中心
- 立地・階数・向き・築年数・管理状態・室内の状態で評価が変わる
- 査定書の取引事例が自分の部屋と近いか、成約価格で比べているかを確認する
査定の受け方は机上査定と訪問査定の違い、売却全体の進め方は家を売却する流れをご覧ください。
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